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  • 橘美彩

運命の先に

更新日:1月23日

名前、は少なからず運命を背負っていると思う。


少し前から私は、もし結婚で名前が変わる機会があったなら、軽いノリで変えてみたいという気持ちだった。

私の名前は橘美彩(たちばなみさ)で、「みさ」はクリスマスイヴに産まれたから教会のミサに因んで(無宗教がすみません)。美は母の名前からの一文字、彩は母が好きな字で、芸術の道に進んでほしいという気持ちをこめたそうだ。父と母が画数やらを調べに調べてもなかなか決まらず、気の短かった祖父が「俺が決めてやる!」と怒り出すほど、時間をかけて決めてくれたそうだ。

先日いつもの美容師さんが産休に入ったので、親しい人たちが多く通っている美容室に行った。そこはカットしながら占星術やら姓名判断やらしてくれるところで、私たちの間で話題になっていた。そして私は髪をカットされながら行き着いたのが姓名判断で、「彩」という字を変えたらこの先全部良くなるよ、ということだった。


実は少し前から私はこの名前に縛られている気がしていた。母の思いが強く入った名前。刺繍作家としてやっていく中でぴったりな名前だけれど、逆にこの仕事に固執していないだろうか。自分で言うのもだけれど私は写真、絵、料理、文章をよく褒められる。子供の頃は漫画家になりたかった。そんないろんな選択肢がある中で選んだのは服飾で、それは母と同じ道だった。母と同じ専門学校に通い、同じ先生に習ったこともある。母は私に同じ道に進んでほしいと言ったことはなかったけれど、こうして軌跡を辿ってみると、母が望んだのか、私が憧れたのか、ここにいる。


昨年刺繍をするのが辛くなってしまった時期に漫画を描き始めた。その時、漫画を描くならば刺繍作家にぴったりなこの名前ではなく、全く誰にもわからないペンネームにしてみようかと思い至った。私はこの名前に縛られて刺繍を続けているんじゃないか。自分で自分が不安になったのだ。


そんなことをぼんやり思っていた時の改名の提案。正直ありだと思った。もちろん戸籍はそのままで、変えるのは所謂「通り名」というもの。「彩」を「沙」に変えたら良いと言われて紙に書いてみた「橘美沙」。全然馴染まなくて逆に新鮮?まあ新しい自分だもんね?うーん。


美容室を出て、一旦落ち着こうと近くにあった玉の湯に身体を沈め、あがってから母に電話をした。改めて名前を付けた時のことを聞いて、一連の流れを話したところ母は怒り気味。そりゃそうだ。隣にいる父もなんだかピリついているのを感じた。かなり聞き方を気遣ったつもりだったが、ただ「面白いことがあったよー」という気持ちの私と、悩みに悩んで付けた名前を否定されたと受け取った父と母。ああまた間違えてしまったなあと心から反省した。


そして結局次の日、私は変えないことを選んだ。

こういうことは視る人のエネルギーが少なからず入るだろうから、気をつけた方が良いと思う。美容室での時間を思い返してみて、本当に信用出来るアドバイス、人となりだっただろうかと考え直した時に、違うじゃん(笑)となった。


私は見えないものを信じる方で不思議なことにも度々あってきたけれど、所謂スピリチュアルとは距離を置いている。時代なのか?表層だけの人が多いと感じるし、現実を動かすのは現実の行動であって。でもその道しかなかったような極めている人、その過程にいる人は尊敬している。そういう人は友人にもいる。


そして浅い人たちが見透かすかのように私のことを視る時、どこまで視えているのか冷静に観察するようにしている。まず、本当に視えている人は軽々しくアドバイスをしない。今回の美容師さんはリクエストに答えてくれただけなのだけれど、聞いてもいないのに勝手にアドバイスを始める人っている。大体私は聞いているフリをして一個も聞いていない。身体に入れない。占いやスピリチュアルってある程度の深度までは本でも読んでおけば誰でもわかる。透視なんかも練習したら誰でも出来ると思う。


今回はいろいろタイミングが合ったこともあってうっかり足を取られそうになり反省。まあ占いって楽しいしエンタメとしては今後もきっと好き。てか冷静に考えてみたら私運良い方じゃん?て思った。乗り越えないといけない現実があるだけで。美彩ちゃん、それって普通に人生だよ。


で、運命って先があるんじゃないだろうか。占いの結果を見て自分で決めること。あれもこれも全部お試しで、選ぶのは自分で。選べた先の橘美彩が、真っ当に自分で、大人で、愛があったら良いよな、と思った。


今回母から改めて名前を付けた時のことを聞けて嬉しかった。前に聞いたのは小学生の時だったから。それはきっと静謐で、やわやわに温かく、父と母が優しく私を見つめてくれていた日だったに違いない。憶えていない遠い日は、綺麗な箱に仕舞っておきたい、よく知らない人に触らせてはいけないものだった。私は私の運命の先を見てみたい。


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